丸木舟に亡骸を乗せ、舳先を海に向けて洞穴に埋葬する──古墳時代人のこころに触れる遺跡です。
シリーズ「遺跡を学ぶ」142
海上他界のコスモロジー 大寺山洞穴の舟葬墓
- A5判
- 96頁
- 1600円+税
- ISBN 978-4-7877-2032-0
- 2020.03.05発行
- [ 在庫あり ]
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紹介文
亡くなった人は海の彼方にある他界へと舟にのり旅立つ……。そんな日本列島に深く刻み込まれたイメージそのままに、丸木舟に亡骸を埋葬した痕跡が千葉県館山市の洞穴でみつかった。縄紋時代の洞穴利用と古墳時代の舟葬墓の発掘調査から、海の民の他界観を追究する。
目次
第1章 海からのまなざし
1 「海の日本」と天鳥船
2 房総の海
第2章 海進と隆起のはざまで
1 安房の海が動く─海進・海退─
2 安房の陸が動く─隆起・沈降─
第3章 房総半島の洞穴に太古を求めて
1 洞穴遺跡調査の歴史
2 海食洞穴遺跡
第4章 大寺山洞穴の縄紋人
1 大寺山洞穴の位置と立地
2 大寺山洞穴遺跡を掘る
3 生活空間と埋葬空間の混在
4 漁労生活の前線基地
第5章 古墳時代の舟葬墓
1 舟棺の検出状況
2 華麗なる副葬品
3 海人族の首長墓
4 列島にひろがる洞穴墓
第6章 舟葬と海上他界
1 海上他界観
2 古典にみる他界と天鳥船
3 舟葬論争とその展開
4 天鳥船はどこへ行く
5 「地域」から「世界」へ
出版社からのコメント
館山市立博物館の分館となっている模擬天守の館山城(八犬伝博物館)の上から、大寺山洞穴のある森と館山湾を一望できます。