五月の風
新刊

いのちと私たちの静かな喜び

五月の風

山尾三省の詩のことば

  • 山尾 三省/著
  • 若松 英輔/解説
  • 四六判変型
  • 336頁
  • 2300円+税
  • ISBN 978-4-7877-1982-9
  • 2019.05.20発行
  • [ 在庫あり ]
  • 野草社/発行

紹介文

◎1998年6月から1999年11月まで、鹿児島県熊毛郡の旧・上屋久町(現・屋久島町)の町内放送「虹色通信かみやく」において、『山尾三省 詩の世界』という番組(担当 松本淳子。全18回)が制作されました。本書では読者特典として、この番組から5回の放送をセレクトし、詩人・山尾三省による詩の朗読と自作解説の音源(ダウンロード専用)を紹介しています。

特典音源のサンプル版を公開します。下記のタイトルをクリックすると別ページで音声が再生されます。

「三光鳥」 サンプル版(冒頭3分間) 1998年11月放送

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◎辻山良雄さん書評(「東京新聞・中日新聞」2019.9.1)
《人間らしく生きるという普遍的なテーマが、作品の根本にある》《感情を濾過したような、平易で純度の高いことばです》

◎『母の友』2019年9月号の「本」
《私たち人間は自然に属する「いのち」なのだということを強く自覚させられた》《ふとした瞬間に何度も向き合いたくなる詩集》

 

五月の風が 耳元で
やさしく語る

ぼくはね
かつて生まれたこともない存在だから
死ぬこともない

ただ 今を 吹いているだけ
——山尾三省「風」

詩を書くのに特別な経験は必要ない。重要なのは日常に深く生きることだと山尾はいう。優れた詩は、読み手を詩の世界へと誘う。詩を読むだけでなく、書き、自らの内なる詩人を見つけだせ、と強く促すのである。
山尾にとって詩は、「いのち」の今と「いのち」の意味を見出す道程にほかならなかった。
——若松英輔「大地と火といのちのことば」

いのちと私たちの静かな喜び。
詩人・山尾三省(1938〜2001年)の後期の代表作である詩集『新月』『三光鳥』『親和力』、および雑誌『くだかけ』に収録・発表された詩と散文の作品を集成。詩人・批評家の若松英輔の解説を付し、読者特典の付録として、山尾三省による詩の朗読と自作解説の音源(ダウンロード専用)を紹介します。装画・イラストは画家 nakaban の作品です。(発行=野草社)

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目次

もくじ

序にかえて

いのちの世界 和田重正

I 新月
いろりを焚いて
山桜
あぶらぎりの花が咲いて
夕方(一)
畑から
旧盆会
栗の実
台所で
夕方(二)
漢字
新月
藪啼きうぐいす
畑で
高校入学式

朴の花
花二題
山 人を見る
小雨の中で
黄金色の陽射しの中を
帰ってくる
シーカンサ
いろり焚き
梅月夜
海から来るもの
すみれ草
夜明け前
スモモと雲
海沿いの道で
夏の海
カボチャ花
台風
洗濯物
カッコウアザミ
センリョウ マンリョウ
悲しい替え歌
青い花
四月六日
高菜漬け
祈り

II 三光鳥
アザミ道
雨の歌
アオスジアゲハ
山に住んでいると
台風のあとで

野菜畑
樹になる
肥やし汲み
じゃがいも畑で
海如来
三光鳥
白むくげ
冬至
大きな石
帰命

青草の中のお弁当
カメノテ採り
風の過ごし方
のうぜんかづら
自分の樹
月夜
童心浄土
灰 ということ
山呼び
白木蓮
お話
キャベツの時
まごころはどこに
深い星空
白露
金木犀
沈黙者
地蔵 その一
地蔵 その二
一日暮らし
切株
かぼちゃ花
散文 七月の月
洗濯物干し
十四夜
ゆっくり歩く

III 親和力
雨あがり
流木拾い
オリオン星
海とカラスノエンドウ
青葉
真昼
夏の朝
貝採り
白露節
善光寺
木洩れ陽
梅二輪
雨水節

ふしぎがいっぱい
森歩き
テリハノブドウ
神の石
安心な土
伯耆大山
童翁心
雨夜
白木蓮
属する
蟻一匹
ヒナギキョウ
単純な幸福
真事
場所
風呂焚き
ツワブキの花


小さ 愛さ
親和力
石のはなし
六つの知慧
墓参り
秋の青い朝
冬至節
お正月
真冬
白木蓮の春
春の雨
ふるさと
海へむけて
土に合掌

IV 祈り
土の道
白露節
この世界という善光寺
無印良品
大寒の夜
わらってわらって
散文 内は深い
尊敬
散文 ウグイスの啼声から
足の裏踏み
散文 窓

散文 散髪
爪きり
散文 ターミナルケア
いってらっしゃーい
散文 生死

V 単行本未収録作品
菜の花


解説 大地と火といのちのことば 詩人・山尾三省の遺言 若松英輔

所収一覧

付録 朗読への招待

著者紹介

山尾 三省(ヤマオ・サンセイ)

1938年、東京・神田に生まれる。早稲田大学文学部西洋哲学科中退。67年、「部族」と称する対抗文化コミューン運動を起こす。73〜74年、インド・ネパールの聖地を1年間巡礼。75年、東京・西荻窪のほびっと村の創立に参加し、無農薬野菜の販売を手がける。77年、家族とともに屋久島の一湊白川山に移住し、耕し、詩作し、祈る暮らしを続ける。2001年8月28日、逝去。
著書『聖老人』『アニミズムという希望』『リグ・ヴェーダの智慧』『南の光のなかで』『原郷への道』『インド巡礼日記』『ネパール巡礼日記』『ここで暮らす楽しみ』『森羅万象の中へ』『狭い道』『野の道』(以上、野草社)、『法華経の森を歩く』『日月燈明如来の贈りもの』(以上、水書坊)、『ジョーがくれた石』『カミを詠んだ一茶の俳句』(以上、地湧社)ほか。詩集『びろう葉帽子の下で』『祈り』『火を焚きなさい』『五月の風』(以上、野草社)、『森の家から』(草光舎)、『南無不可思議光仏』(オフィス21)ほか。

若松 英輔(ワカマツ・エイスケ)

関連書籍

  • 狭い道〔新版〕FTP
  • 野の道〔新版〕FTP
  • 火を焚きなさいFTP