紀国造家の実像をさぐる 岩橋千塚古墳群

シリーズ「遺跡を学ぶ」126

紀国造家の実像をさぐる 岩橋千塚古墳群

  • 丹野 拓/著
  • 米田 文孝/著
  • A5判
  • 96頁
  • 1600円+税
  • ISBN 978-4-7877-1836-5
  • 2018.07.01発行
  • [ 在庫あり ]
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紹介文

和歌山市街から遠く淡路島まで見渡せる紀の川左岸の山上には、約850基もの古墳からなる全国最大級の群集墳、岩橋(いわせ)千塚がある。紀国造家(きこくぞうけ)の首長墓を中心に展開するこの巨大群集墳の構造を解明し、紀の川下流域南岸に勢力を保ち、独特な古墳を築いた集団を追究する。

目次

第1章 二つの紀氏
1 紀伊国に勢力を張る氏族、紀氏
2 岩橋山塊の大古墳群

第2章 岩橋千塚の調査
1 調査のはじまり
2 岩橋千塚総合調査
3 井辺八幡山古墳の調査

第3章 独特な埴輪の出土
1 大日山三五号墳の調査の開始
2 ぞくぞくとみつかる日本初例の形象埴輪

第4章 紀直がつくった岩橋千塚古墳群
1 古墳群の再踏査
2 浮かび上がる四つの古墳群
3 紀直の築いた岩橋千塚古墳群
4 岩橋前山A地区は渡来系集団の墓域か
5 大伴連の築いた井辺前山古墳群
6 寺内総綱寺谷にあった古墳群

第5章 紀直から紀国造家へ
1 紀直と周辺氏族の動向
2 紀直を支えた集落と水路群
3 古墳群からみた紀国造体制

第6章 その後の紀国造家
1 日前宮と幻の古代寺院
2 今もつづく特別史跡の整備

著者紹介

丹野 拓(タンノ・タク)

1973年、大阪府生まれ。立命館大学、関西大学大学院、奈良県立橿原考古学研究所、和歌山県教育委員会、和歌山県立紀伊風土記の丘を経て、現在和歌山県文化財センター 埋蔵文化財課 課長。元関西大学非常勤講師。博士(文学)。
主な著書 「岩橋千塚の4つの築造集団」『古文化談叢』70、「紀伊における飛鳥・白鳳期の軒瓦の系譜と地域性」『考古学研究』241ほか多数。

米田 文孝(ヨネダ・フミタカ)

1953年、大阪府生まれ。関西大学大学院、日本学術振興会特別研究員等を経て、現在関西大学文学部教授。博士(文学)。
主な編著書: 『紀伊半島の文化史的研究─考古学編─』(清文堂)、『祇園精舎─サヘート遺跡発掘調査報告書─』(関西大学)、『都塚古墳発掘調査報告書─飛鳥の多段築墳の調査─』(明日香村教育委員会)ほか多数。

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