A5判上製
304頁
4200円+税
ISBN978-4-7877-1502-9
都市と農村を架ける
ザンビア農村社会の変容と人びとの流動性

伊藤千尋/著


【目次】

序章 現代アフリカにおける都市と農村
 第一節 問題の所在
 第二節 本書の目的と構成
 第三節 調査地と調査方法
 
第一章 揺らぐ「都市」と「農村」――ザンビア政治・経済史
 第一節 植民地支配の開始から第二次大戦まで
 第二節 第二次大戦から独立まで
 第三節 独立から一九七四年まで
 第四節 一九七五年から二〇〇〇年まで
 第五節 二〇〇一年以降の経済成長と政権交代
 第六節 現在のザンビアの都市人口と中小都市

第二章 強制移住の村における生計の多様性
 第一節 強制移住の歴史と移住による社会の変化
 第二節 人口・世帯・土地
 第三節 農業
 第四節 非農業活動
 第五節 困窮時にみられる対処戦略と外部からの支援
 第六節 生計手段の組み合わせ
 
第三章 興隆する「農村ビジネス」
 第一節 農村ビジネスに着目することの意義
 第二節 ザンビアにおける農村インフォーマルセクター・小規模企業の概観
 第三節 調査村における農村ビジネスの概要
 第四節 同時多発的なビジネス展開と近郊都市との関わり
 第五節 起業のプロセス
 第六節 農村ビジネスは地域に何をもたらしたのか?
 第七節 農村ビジネスの可能性


第四章 変わりゆく農村における「都市に働きに行くこと」の意味
 第一節 アフリカ農村社会における出稼ぎ労働の位置づけ
 第二節 出稼ぎ労働の特徴の変化
 第三節 なぜ村を離れるのか?――複雑な意思決定
 第四節 なぜ戻るのか、いつ戻るのか?――変動する都市滞在期間
 第五節 都市を天秤にかける


第五章 中小都市シアボンガにおける都市発達プロセス
 第一節 町の変遷
 第二節 カペンタ――町を支える小さな魚
 第三節 カリバ湖と観光業
 第四節 町への人口流入
 第五節 小さな町のダイナミクス

終章 都市と農村を架けるネットワーク
 第一節 高まる流動性と農村経済
 第二節 出稼ぎ労働の現代的な位置づけ――代替可能性
 第三節 都市と農村の多様な関係性
 第四節 都市と農村のネットワークへの視点


変わりゆくアフリカの都市と農村

近年、アフリカ農村部では農業以外の経済活動の重要性が増し、生計の多様化が進展している。市場自由化やグローバル化のうねりのなかで、ザンビア南部農村の人びとが農業と非農業活動の間を行き来しつつ、流動的に生活を営んでいる姿を、中小都市との相互作用に注目しながら実証的に明らかにする。

私は、調査村を理解するために、「農業」や「農村」という枠を取りはらって、人びとが日々営む生計活動とそこに見られる空間の広がりや職業の多様性をみつめていくことにした。 本書が提示するのは、「厳しい」環境に暮らし、ザンビアの政治・経済変動の影響を受けながらも、私たちが自明のものとしている「農村」と「都市」という境界を跨ぎ、うまく使い分けながら生きているザンビアの人びとの姿である。――――著者

【著者紹介】

伊藤千尋(いとう・ちひろ)
1984年,東京都生まれ.
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科研究指導認定退学.
博士(地域研究).
総合地球環境学研究所「社会・生態システムの脆弱性とレジリアンス」プロジェクト研究推進支援員を経て,2012年4月より日本学術振興会特別研究員(横浜市立大学).
専門はアフリカ地域研究,人文地理学.

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