A5判
336頁
2000円+税
ISBN978-4-7877-1200-4
聞き書き 震災体験
東北大学 90人が語る3.11

とうしんろく(東北大学震災体験記録プロジェクト)/編
高倉浩樹、木村敏明/監修


【目次】

I 「とうしんろく」とは
・「とうしんろく」の経験
・「とうしんろく」の活動
・「とうしんろく」の話者


II 記憶と体験の記録
【1 学部生・院生】
・「大丈夫」という言葉に、こんなにも幅があるのかと痛感した
・食料がまったくなかったので、ひもじい思いをした
・ツイッターで「生きている」とつぶやいたら、両親が「見た」と連絡してきた
・「こっちも食料がないから仙台にいた方がいい」と言われた
・「原発が危ないので、迎えに行くから帰ってこい」と父に命令された
・東京で福島原発ばかりが話題になっていることに少し腹が立つ
・アルバイトがあったのでしばらく仙台に滞在
・火葬場では自家発電によって電気が使えたので、震災後初めてテレビを見た
・バスにとどまり、福島に戻ることを決断した
・仙台に引っ越す際に、業者が引っ越しを嫌がった
・帰国したところで、空港に着陸したのと地震が発生したのが同じ時間だった
・なぜ自分は沖縄にいるのだろう
・私が帰国することをインドネシアの友人に伝えると、友人たちは必死で止めた
・「被災の日本人をモンゴルの大地に住まわせよう」  ほか

【2 留学生】
・両親は私の理想や夢を応援して、再び日本に行かせてくれた
・ボランティアを企画し、研究室のみんなと深沼や石巻に泥かきに行った
・帰国しないことはもう決めたので、都合のよいことだけを考えようと思った
・大使館の車で塩竃に行って遺体を探しました  ほか

【3 教員・研究員】
・外国人の被災者には全然違うルートで情報が入ってくるのが面白かった
・「何があっても仙台に来るな」と強く指示した
・復旧で困ったことは雨漏りだった
・短期留学プログラムの学生は翌日から募金活動をしていた
・子どもの手にマジックで×印をつけられ、そんな思いをしなければ食べられないのかと
・脱出を考えたが、食料があるうちは緊急を要する人が優先だと思った
・受験生と親が、本当に入試がないか確かめにぞろぞろ来ていた
・部屋には薬品が飛び散っており、火が付いたら誰も来てくれないし、消せない  ほか

【4 大学職員】
・学習環境の整備を最優先にしました
・危なくて研究できない状態だったので、薬剤師の資格のある人はボランティアに
・搾乳には電気が必要なので、発電機を借りに新潟に行った
・職場に拘束されるということは、家族を放置しなければならない
・心の中で謝りながら、本を踏みつつ、地下に人がいないか探しに行く
・「がんばろう○○」というフレーズが氾濫していることに違和感  ほか

【5 大学生協・取引業者・訪問者】
・どこの店も開いていないと聞き、在庫がある分だけならと思って営業した
・修理の人は、何トンもある機械の下で作業をやっていて、余震があるととても怖かった
・「白いもやのようなものが見えるね」と同僚と話していたが、よく見ると津波だった
・トンネル内に閉じ込められた新幹線車中で、丸一日近くを過ごす  ほか


III 運営ボランティアの声
・癒しとしての「とうしんろく」
・雑多な体験を拾い上げ、記録するということの意味
・災害科科学からみた「とうしんろく」  ほか


学生、留学生、教員、職員、大学生協、取引業者、訪問者……。
私たちの隣で、今は一見平穏な日常生活を送っている人たちは、東日本大震災にどのように遭遇し、その後の日々を過ごしたのだろうか。
一人ひとりの個人の声に耳を傾け、聞き書きを続けていくなかで、はじめて知ることのできた隣人たちの多様な震災体験の記憶。

【著者紹介】

【編者】
とうしんろく(東北大学震災体験記録プロジェクト)
東北大学に関わる一人ひとりの個人は、東日本大震災にどのように遭遇し、その後の過程を経て、大学に戻ってきたのだろうか。それぞれの個人的で主観的な被災体験を実際に語ってもらい、聴く場を設けるとともに、それらを記録することで、より共有可能な記憶へと変えていこうとする試みとして、2011年5月、教員・学生・職員ら学内有志によって立ち上げられたプロジェクト。

【監修者】 
高倉浩樹:東北大学准教授(文化人類学)
木村敏明:東北大学准教授(宗教学)

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