四六判上製
350頁
2600円+税
ISBN978-4-7877-6332-7
発行;2017/9/30
民俗選挙のゆくえ
津軽選挙 vs 甲州選挙

杉本仁/著
梟社/刊


【目次】

序 章 選挙楽しや 牛馬にゆられ
第一章 津軽と甲州
第二章 津軽選挙の発生
第三章 二人町長と代理戦争
第四章 出稼ぎと行商
第五章 神仏の力と選挙タタリ
第六章 カネの力と悪銭
第七章 飲食の力と食物禁忌
第八章 無尽と葬式
第九章 村八分と地域ぐるみ
第十章 オヤコ選挙と骨肉の戦い
第十一章 口碑と文芸
第十二章 二人の政治家
終 章 民俗選挙のゆくえ
参考文献
甲州選挙 vs 津軽選挙 対比表
あとがき


選管(選挙管理委員会)を制する者が選挙を制する! ---巷間、こう言いならわされてきたように、わが国の民俗選挙においては、戦後の近い一時期まで、選挙不正に踏み出していく人びとの狂奔は、そう珍しい光景ではありませんでした。各地の民俗選挙は激越な祝祭的熱狂をむきだしにして、たとえば、津軽選挙では、苛烈なたたかいの神輿に乗ることで、これに翻弄され、地主貴族の父祖累代の富を蕩尽しつくした太宰治の長兄・津島文治などを輩出、また、甲州選挙においては、贈与と相互扶助と義理を身をもって体した政界のドン、金丸信を生みだしました。この両者は、「津軽選挙vs甲州選挙」を象徴する存在として、カネと盲動、中傷と謀略が渦巻く選挙祭りが行きついた対照的な悲喜劇を、私たちにあらわにかいま見せてくれます。
本書は、こうした民俗選挙の現実を細部にわたって描きつつ、祝祭的な選挙祭りが内包していたムラの共助と共生、共同的な生活の歴史的、民俗的な意味に改めて光を当て、現代選挙のアノミーな無関心を乗り越える、ポスト近代選挙のありようを模索するものであります。
選挙権の下限年齢が18歳にまで引き下げられた今、私たちの共同社会の未来を創っていく若い人びとの選挙への関心を高めるためにも、ひろく読まれることを願う一冊です。(梟社 編集部)

【著者紹介】

杉本仁(すぎもと・じん)
1947年山梨県に生まれる。青山学院大学を経て、同大学院修士課程修了。柳田国男研究会会員。山梨県都留市在住。都立高校教諭を経て、2012~2017年都留文科大学非常勤講師。

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