四六判上製
336頁
2500円+税
ISBN978-4-7877-1611-8
発行: 2017/3/31
〈戦後〉の誕生
戦後日本と「朝鮮」の境界

権赫泰・車承棋/編
中野宣子/訳 
中野敏男/解説


【目次】

序章 消去を通してつくられた「戦後」日本……権赫泰・車承棋

第一章 「戦後日本」に抗する戦後思想――その生成と挫折……中野敏男

第二章 捨象の思想化という方法――丸山眞男と朝鮮……権赫泰

第三章 戦後の復旧と植民地経験の破壊――安倍能成と存在/思惟の場所性……車承棋

第四章 「強制連行」と「強制動員」のあいだ――二重の歴史化過程のなかでの「植民地朝鮮人」の排除……韓恵仁

第五章 人権の「誕生」と「区画」される人間――戦後日本の人権制度の歴史的転換と矛盾……李定垠

第六章 縦断した者、横断したテクスト――藤原ていの引揚げ叙事、その生産と受容の精神誌……金艾琳

第七章 「朝鮮人死刑囚」をめぐる専有の構図――小松川事件と日本/「朝鮮」……趙慶喜

解説 『〈戦後〉の誕生』日本語版に寄せて……中野敏男


〈戦後〉とは何か――?
「平和と民主主義」という価値を内向的に共有し、閉じられた言語空間で自明的に語られるこの言葉は、何を忘却した自己意識の上に成立しているのか。
〈戦後〉的価値観の危機は、〈他者〉の消去の上にそれが形成された過程にこそ本質的な問題がある。
捨象の体系としての「戦後思想」そのものを鋭く問い直す。

【著者紹介】

【編者】
権赫泰(クォン・ヒョクテ/KWON Heok Tae)
1959年生まれ.
韓国・聖公会大学校日本学科教授.日韓関係史および日本現代史専攻.
主な業績に,『平和なき「平和主義」――戦後日本の思想と運動』(鄭栄桓訳,法政大学出版局,2016年),『日本の不安を読む』(教養人,2010年,韓国語),『日本・戦後の崩壊――サブカルチャー・消費社会・世代』(J&C,2013年,韓国語)など.

車承棋(チャ・スンギ/CHA Seung Ki)
1967年生まれ.
韓国・朝鮮大学校国語国文学科助教授.韓国近代文学・思想専攻.
主な業績に,「抽象と過剰――日中戦争期・帝国/植民地の思想連鎖と言説政治学」(『思想』1005号,2008年,日本語),『反近代的想像力の臨界』(プルンヨクサ,2009年,韓国語),『非常時の文/法』(グリーンビー,2016年,韓国語)など.

【執筆者】
中野敏男(なかのとしお)
東京外国語大学名誉教授

韓恵仁(ハン・ヘイン/HAN Hye In)
成均館大学校東アジア歴史研究所研究員

李定垠(イ・チョンウン/LEE Jeong Eun)
聖公会大学校東アジア研究所HK研究教授

金艾琳(キム・イェリム/KIM Ye Rim)
延世大学校学部大学教授

趙慶喜(チョウ・キョンヒ/CHO Kyung Hee)
聖公会大学校東アジア研究所HK研究教授

【訳者】
中野宣子(なかののりこ)
翻訳家,韓国語講師.
訳書に,『結婚』(學藝書林,1992年),『ソウル・スケッチブック』(木犀社,1997年),『母から娘へ――ジェンダーの話をしよう』(梨の木舎,2011年),『愛より残酷 ロシアン珈琲』(かんよう出版,2013年)など.

 

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