A5判
320頁
2500円+税
ISBN978-4-7877-1320-9
無形民俗文化財が被災するということ
東日本大震災と宮城県沿岸部地域社会の民俗誌

高倉浩樹・滝澤克彦/編

【目次】

【I 気仙沼・南三陸】
●その年も、「お年とり」は行われた (梅屋 潔)
気仙沼市鹿折地区浪板および小々汐の年越し行事にみる「祈り」

●災害復興における民俗文化の役割 (林 勲男)
南三陸町歌津地区の民俗行事の再生から

●震災後における民俗の活用と被災地の現在 (政岡伸洋)
南三陸町戸倉波伝谷地区の場合


【II 石巻・女川】
●巨大地震で落ちなかった受験の神様と「担がれない」お神輿 (金菱 清)
石巻市北上町十三浜追波地区

●石巻市釜谷における年中行事の被災と復興 (岡山卓矢)
稲荷神社例祭と二つのオヨウカを中心に

●雄勝法印神楽の再開過程と民俗性 (小谷竜介)
文化財の保存と活用の観点から

●東日本大震災と離島の民俗文化 (金賢貞)
女川町出島の獅子振りを中心に

●牡鹿半島の集落における祭り復興の三つの型 (山口未花子)


【III 東松島・七ヶ浜】
●二年遅れで復活した二〇年周期の祭礼から見えてくる現実 (木村敏明)
東松島市浜市お潮垢離行事

●東松島市月浜の被災民俗文化財調査からみる、民俗行事の伝承と生業の復興 (俵木 悟)

●アニメ聖地巡礼者たちの被災地支援 (兼城糸絵・川村清志)
七ヶ浜町花渕浜の事例から


【IV 多賀城・仙台・名取】
●多賀城鹿踊「被災」始末 (菊地 暁)
多賀城市八幡地区の来歴をふまえて

●「情けのイナサ」をふたたび (川島秀一)
仙台市若林区荒浜の漁業の再興

●大漁唄い込み踊にみる閖上のくらし (沼田 愛・赤嶺 淳)

●仮設住宅での聞き取りからみえてくる生業・土地利用・被災家屋 (島村恭則・沼田 愛)
名取市北釜地区の調査から


【V 岩沼・山元】
●祭礼を無理に復活させないという選択 (滝澤克彦)
岩沼寺島地区の事例から

●「地区」と祭りの変遷 (稲澤 努)
山元町八重垣神社お天王さま祭りの調査から

●残されたご神体と奉納できぬ神楽 (高倉浩樹)
被災した山元町中浜神楽の再開に向けた活動の連鎖


【シンポジウム記録】
<民俗芸能と祭礼からみた地域復興>
第1部 「無形」文化財の被災とその復興
第2部 無形民俗文化財と地域社会の復興をめぐるパネル討論


形のない文化財が被災するとはどのような事態であり、その復興とは何を意味するのだろうか。震災前からの祭礼、民俗芸能などの伝統行事と生業の歴史を踏まえ、甚大な震災被害をこうむった沿岸部各地域社会における無形民俗文化財のありようを記録・分析し、社会的意義を考察する 。

【著者紹介】

【編者紹介】
高倉浩樹(たかくら・ひろき)
1968年生まれ.
1998年,東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学.博士(社会人類学),1999年.
現在,東北大学東北アジア研究センター教授.社会人類学・シベリア民族誌専攻.
著書に,『極北の牧畜民サハ』(昭和堂,2012年),『社会主義の民族誌』(東京都立大学出版会,2000年),『極寒のシベリアに生きる』(編著,新泉社,2012年),『シベリアとアフリカの遊牧民』(共著,東北大学出版会,2011年)など.
震災関連の業績に,『聞き書き  震災体験』(東北大学震災体験記録プロジェクト編,高倉浩樹・木村敏明監修,新泉社,2012年),『東日本大震災に伴う被災した民俗文化財調査(2011年度報告集)』(高倉浩樹・滝澤克彦・政岡伸洋編,東北大学東北アジア研究センター,2012年),『東日本大震災に伴う被災した民俗文化財調査(2012年度報告集)』(高倉浩樹・滝澤克彦編,東北大学東北アジア研究センター,2013年)など.

滝澤克彦(たきざわ・かつひこ)
1975年生まれ.
2008年,東北大学博士課程修了.博士(文学),2008年.
現在,東北大学東北アジア研究センター教育研究支援者.宗教学,モンゴル研究.
主要業績に,『ノマド化する宗教,浮遊する共同性』(編著,東北大学東北アジア研究センター,2011年),「社会主義と宗教の記憶」(高倉浩樹・佐々木史郎編『ポスト社会主義人類学の射程』 国立民族学博物館,2008年)など.

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