四六判上製
384頁
2600円+税
ISBN978-4-7877-1318-6
文明〈後〉の世界


小野暸/著

【目次】

まえがき
序章 「文明」のビフォー/アフター

I 万人起業家社会論――資本主義〈後〉の世界
第1章 市場経済と資本主義経済
第2章 「近代」を超える――「自由・平等・友愛」の意味
第3章 社会主義経済と創業の自由
第4章 企業社会とは何か
第5章 「市場・組織・格差」――個人的自由の経済学
第6章 非資本主義的市場経済システムの可能性とネットワーク

II 大転換の時代――文明を超えていく道
第7章 「文明」を超える――「文明原理」と「反文明原理」
第8章 縄文時代の未来的可能性
第9章 「国家」を超えていく道
第10章 科学革命の展望――モノ・ココロ・カミ
第11章 複雑学とは何か――複雑系科学を超えて
第12章 複雑学と自然観の変革
終章 私の個人史

シンポジウム「小野暸さんの知的挑戦」
報告I 小野暸先生の射程 (郡司ペギオ-幸夫)
報告II 万人起業家社会と国家 (塩沢由典)

編者あとがき (田畑 稔)


〈未来社会のグランドデザインをどう描くか〉

文明は組織とともに生まれ、人々の生活のあらゆる領域での組織化を推し進めてきた。「大転換の時代」を迎え、資本主義〈後〉に来るべき未来社会像として、 組織への従属から離れた自由な諸個人の連合による「万人起業家社会」論を提起し、さらに複雑系科学の検討を通して人類史の解明を試み、文明を超えていく道を考える。

◎郡司ペギオ−幸夫
小野先生は若いころから、万人起業家社会論について語っていた。それは一言で言えば、人間におけるiPS細胞説と言えるかもしれない。社会に帰属し、組織化され、何にでもなれることはあり得ないと誰しも思っているのだが、巧みな仕掛けを考えることができれば、誰でも起業家になれる。

◎塩沢由典
目指している方向はなにか。どういう社会をつくりたいのか。そういう話をするとき、よく使われるいくつかのキーワードがあります。「個人的所有」、それから「自由な生産者の連合」とか「万人の自由な発展」。これらはすべてマルクスに原典がある言葉です。小野さんはやはりずっとマルクスをベースに置いて考えてこられたということでしょう。

◎田畑 稔
この本は、現代の資本主義、国家、科学技術、そして我々の生活が抱える深刻な諸問題を、文明〈前〉−文明−文明〈後〉という数万年の大きな枠組みで反省し考察するものである。そしてまた、文明〈後〉、資本主義〈後〉を目指す歴史運動の目標と諸条件について論ずるものである。

【著者紹介】

小野暸(おの・りょう)
1950年,東京都生まれ.
1974年,関西大学経済学部卒業.
同年,(社)海洋産業研究会勤務.
1978年,都市科学研究所勤務.
1984年,(株)総合計画機構設立参加.
1990年,大阪市立大学大学院経済博士課程修了.
京都精華大学人文学部人文学科講師,助教授,教授を経て,
1995年より公立はこだて未来大学情報科学部複雑系学科教授.
2011年12月逝去.
主要業績に『リベラリズムの苦悶――I.ウォーラーステインが語る混沌の未来』(京都精華大学出版会編,阿吽社,1994年)ほか.

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