A5判上製
468頁
4200円+税
ISBN978-4-7877-1311-7
生活者と社会科学
「戦後啓蒙」と現代

寺田光雄/著

【目次】
第1部 戦後社会科学の視座旋回──「主権在民」理念の主体化をめぐって

序 章 自生的社会科学の形成にむけて
第1章 丸山眞男の模索──戦後社会科学の一代表者
第2章 内田義彦の模索──主体化をめぐる視座の旋回
    ・内田義彦を観察する視点
    ・丸山眞男と対比して
    ・『社会認識の歩み』に至るまで
    ・『社会認識の歩み』の展開[その1]──論理構成上の問題点と今日的可能性
    ・『社会認識の歩み』の展開[その2]──個人主義的な自己形成との対話とその今日的意義
    ・『社会認識の歩み』の展開[その3]────個人主義的な自己形成と内田の系統だった社会科学的認識のズレ
    ・主体化をめぐる視座の旋回
第3章 歴史学における主体化模索の展開と視座の旋回──特に安丸良夫の模索を事例に
    ・新潮流の歴史学
    ・安丸良夫の模索
小括

第2部 生活者の側からみた社会科学へ

第4章 観察の対象
第5章 「個」としての人格的成長論──戦後改革期から高度成長期への展開
    ・戦後出発時にみられた「個」としての人格的成長論──『山びこ学校』にみられる「通俗道徳」的生き方
    ・教育行政の集権化と経済成長策
    ・人びとの生活様式の変容──美術教育の現代化が指し示すもの
    ・大田堯の模索──抽象化一般化された「個」としての人格的成長論
    ・大田堯が脱ぎ捨てた社会科学的考察
第6章 等身大の自己形成が求めるもの
    ・長谷川宏・長谷川節子の「赤門塾」の模索
    ・国際NGO・日本国際ボランティアセンターの人たちの模索
終 章 生活者の側からみた社会科学へ──社会科学者の立脚点について
    ・社会科学者の立脚点と地域的周縁性
    ・自己形成の多方向性と社会科学者の立ち位置


今日、社会科学はわたしたちの生活から遠いものになってはいないか。
グローバル化と 3.11以降の現代日本を、丸山眞男・内田義彦・安丸良夫らの戦後社会科学の展開史から考察。
「主権在民」という切り口から今日の社会科学のあり方を問い、国権主義に対抗する社会科学の視座を提示する。

《書 評》
・阿部玲児氏「生活者と社会科学の往復」amason.co.jp
・若森章孝氏「研究ノート 戦後社会科学の視座旋回と一般の人びとの「個」としての自己形成─寺田光雄『生活者と社会科学──「戦後啓蒙」と現代』新泉社を読む」『経済論集』63(2,3)〔http://www.wakamori-fumitaka.net/study/terada.pdf〕
・高橋清貴氏「個としてのNGOの再考──寺田光雄『生活者と社会科学』を読んで」『恵泉女学園大学紀要』第27号〔http://ci.nii.ac.jp/naid/120005621839〕

【著者紹介】

寺田光雄(てらだ・みつお)
1943年12月 和歌山県生まれ
1966年 和歌山大学経済学部卒業
1972年 名古屋大学大学院経済学研究科博士課程満期退学
同年6月〜2002年3月 埼玉大学(教養部、のちに経済学部)教員
担当:社会思想史ほか

主な著書・論文
『内面形成の思想史』未來社
『民衆啓蒙の世界像』ミネルヴァ書房
「安丸歴史像の一遺産―社会経済史の観点から」(『現代思想』2016年9月臨時増刊号)

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